自由って その2

約1か月前に、「自由って」というタイトルで、

とある派遣社員のお話をしました。

今、彼に変化が表れています。さて、一体どんな変化が

起こったのでしょうか。


私のいる現場で、事故が起こりました。

作業員の人がケガをして(軽傷でした)、労災という扱いに

なりました。

その数日後、今度は物損事故が起こりました。

その事故の現場の近くに、以前お話した派遣社員(仮にTさんとします。)が

いました。

事故の瞬間、その場にいたのはTさんと一緒に仕事をしていた、

20代の同僚でした。(仮にKさんとします。)

Kさんは、まだ経験が浅かったため、事故が起こったことを

他者から指摘されて気づいたようで、さらに作業を止めるべきところを

作業を続行しても良いと認識していたそうです。

(現場では、少しでも危険であると判断されると、たとえ事故にならなかったとしても、

  作業を中止して、確認作業を行い、安全が確認出来たら作業を続行します。)

Tさんは、事故の瞬間を目撃してはいませんでしたが、作業を中止させて、

すぐに自分の上司となる人に連絡を取り、指示を仰ぎました。

そして、その上司が現場に合流するまでの間に、現場の統括者に

事故の経緯の説明と謝罪を行っていたそうです。

幸いケガをした人もおらず、破損箇所を取り換えすればよいという判断

だったので、この物損事故について、現場の統括者からは、

しかるべき書類を提出すれば穏便に処理するということで決着しました。

もちろん、この書類もTさんが数人の人からアドバイスをもらって作成しました。

そして、TさんはKさんを叱ったそうです。(怒ったそうです。)

(Tさんは普段は、ほとんど怒りません。私は彼が怒っているのを

 見たことがありません。)

Tさんの上司は、Tさんのこの行動を見て安心したそうです。

仕事に関してはまだまだですが、Tさんの中で何かが変化し始めている兆しが

あると感じているようです。

最近、Tさんが楽しそうに仕事に取り組んでいる様子を見ることが多くなりました。

もちろん、困ったちゃんが撤回されたわけではありませんが、変化をし始めているのが

見受けられます。

彼に会った当初は、どうしたものかと思っていましたが、

もしかしたら、私の思い込みでTさんの事をよく見ていなかったのかも

しれないなと反省しています。

1人の人間には、複数の顔があり、得意不得意があります。

このことを考えさせられました。